概念丸ごとブーメラン――“他人の物語”を信じていたかもしれない時、自分の力で事実を検証し直すために

概念丸ごとブーメラン――“他人の物語”を信じていたかもしれない時、自分の力で事実を検証し直すために
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noteに、「概念丸ごとブーメラン」という記事を書きました。

NPD悪魔化の「概念丸ごとブーメラン」とは何か――「DARVO・責任転嫁・心理操作」と語ってきた側も、AI時代には過去発言そのものが検証対象になり得る

これは、NPD(自己愛性パーソナリティ障害)や「ナルシスト」をめぐる悪魔化、心理学的なレッテル貼り、誤情報について考える中で、僕が使っている表現です。

最初に、この言葉の意味を説明しておきます。

NPD悪魔化の「概念丸ごとブーメラン」とは、誤情報や過度な一般化によって歪められ、他者へのレッテル貼りや一方的な人物分析に使われてきた心理学概念が、研究、一次資料、時系列、具体的行為に基づく本来の検証可能な形へ戻され、その同じ基準が今度は悪魔化言説そのものや、それを発信してきた側の行動にも適用されるようになること。

簡単に言えば、

「分析ごっこ」が「本当の検証」に置き換わっていく、

ということです。

ただし、この記事で僕が伝えたいのは、「今度は悪魔化してきた人たちを分析してやろう」という話ではありません。

むしろ逆です。

他人から与えられた物語ではなく、自分自身で事実を確認し、自分の認識を取り戻すこと。

そのための話です。

目次

もしかすると、まだ自分でも気づいていない人がいるかもしれない

サヨナラ・モンスターを使ってくださっている皆さんの中にも、過去に心理学的な情報、人間関係についての情報、SNS、動画、書籍、誰かの強い断定などによって、自分自身の認識が大きく影響された経験を持つ方がいるかもしれません。

僕はここで、

「あなたは認知汚染を受けています」

「あなたは騙されています」

とは言えません。

一人ひとりの出来事を確認していないからです。

実際に深刻な被害を受けていた方もいるでしょう。

情報が正しかった場合もあるでしょう。

一部は正しく、一部には誤りや過度な一般化が混ざっていた場合もあるでしょう。

まだ判断できない場合もあります。

だから、最終的に判断するのは本人です。

僕が代わりに、

「あなたの場合はこうです」

と決めることではありません。

「他人の物語」が自分の頭の中へ入ることがある

例えば、何かつらい人間関係があったとします。

自分でも何が起きているのか分からない。

苦しい。

答えが欲しい。

そんな時に、

「あの人はナルシストです」

「ナルシストは必ずこうします」

「謝罪も演技です」

「反論は責任転嫁です」

「怒るのは自己愛憤怒です」

「あなたを壊すためにやっています」

という説明を繰り返し見たとします。

すると、いつの間にか、

実際に観察した出来事

と、

誰かから教えられた人物物語

が混ざってしまう場合があります。

本当にその人がそうだったのか。

その心理状態だったのか。

本当にその目的で行動していたのか。

本当にNPDだったのか。

そこを一つずつ確認しないまま、他人が作った説明体系を丸ごと自分の中へ入れてしまう。

僕は、このような状態も広い意味で「認知汚染」として考えることがあります。

ただし、この言葉も「あなたは汚染されている」と他人を判定するために使うものではありません。

自分の認識の中へ、どこから何が入ってきたのかを点検するための言葉として使っています。

概念丸ごとブーメランが起きると何が変わるのか

例えば昔、

「ナルシストは被害者と加害者を逆転させる」

と聞いていたとします。

そこで終わらず、

「では実際の時系列はどうだったのか」

と確認する。

「ナルシストは嘘をつく」

と聞いたなら、

「では、実際に事実と違うことを言ったのは誰だったのか」

を見る。

「ナルシストは相手の信用を落とす」

と聞いたなら、

「実際には誰が誰について、どのような情報を第三者へ流していたのか」

を確認する。

「心理操作をする」

と聞いたなら、

「恐怖、怒り、心理学用語によって、自分の判断そのものが誘導されていなかったか」

まで調べる。

ここではもう、

「ナルシストだから」

という答えを使いません。

行為、記録、時系列、一次資料へ戻ります。

これが、僕が「概念丸ごとブーメラン」と呼んでいるものの一番重要なところです。

概念が誰かを殴る武器ではなく、

事実を確認する道具へ戻るのです。

AI時代には、この検証が以前よりはるかにやりやすくなった

今はAIがあります。

昔なら、大量の動画や記事を全部読み直すだけでも大変でした。

しかし現在は、例えば大量の動画を文字起こしして、その中から、

  1. 具体的な主張を抜き出す
  2. 「事実」「研究結果」「専門家の意見」「推測」「人物評価」に分ける
  3. 同じ主張がいつから、どの程度繰り返されているか時系列化する
  4. 引用されている研究や原典を確認する
  5. 後から訂正情報が出た後に説明が変化したかを見る
  6. 前後で矛盾している発言がないか探す
  7. 最後に必ず元動画・原文・一次資料へ戻って人間が確認する

という作業を、以前よりかなり少ない負担で行えるようになっています。

僕自身も、動画ファイルなどからかなり正確に文字起こしできる仕組みを自分用に作っています。

大量の動画をまとめて処理することも技術的にはできます。

だから、例えば数年間に100本の動画を公開している発信者なら、その100本を文字情報へ変換し、

どんな人物像を繰り返し作っていたのか。

どんな断定をしていたのか。

どんな心理学用語を使っていたのか。

研究根拠はあったのか。

例外を認めていたのか。

後から研究が更新された時に訂正していたのか。

といった全体構造を、以前より検証しやすくなっています。

ただし、ここは非常に重要です。

AIの分析結果そのものを「証拠」にしてはいけません。

AIも間違えます。

文字起こしも誤る可能性があります。

文脈を取り違えることもあります。

だからAIは、

「答えを決めてもらう道具」

ではなく、

「大量の情報から確認すべき場所を見つける補助」

として使うのがよいと思います。

サヨナラ・モンスターで大切にしてきたことともつながっている

サヨナラ・モンスターでは、自分の中に浮かぶ自動思考や感情を書き出し、それを深く見ていきます。

ここでも同じです。

「これは誰から聞いた考えなのか」

「これは僕自身が実際に確認した事実なのか」

「これは誰かの解釈なのか」

「僕自身の感情なのか」

「後から加わった意味づけなのか」

と分けていく。

自分の頭の中にあるものだからといって、そのすべてが最初から自分自身の考えだったとは限りません。

人は他人の言葉から影響を受けます。

僕自身もそうです。

だからこそ、書いて、分けて、確認する。

これは非常に重要だと思っています。

もし「自分は長い間、間違った物語を信じていたのかもしれない」と気づいたら

ここは特に伝えておきたいところです。

もし自分で検証した結果、

「自分は何年間も、この説明を本当だと思っていた」

「本当は研究ではそこまで言えなかった」

「自分の相手がNPDだった証拠もなかった」

「相手の行動を全部、一つの物語の中で解釈していた」

と気づくことがあるかもしれません。

その時、

怒り、

悲しみ、

悔しさ、

恥ずかしさ、

失った時間への気持ち、

「なんでこんなものを信じてしまったんだ」

という思いが出てくることもあると思います。

僕は、その感情そのものを否定する必要はないと思っています。

大事なのは、

その後の時間まで復讐へ渡さないことです。

「騙された。だから今度は発信者を苦しめてやる」

となれば、

ナルシストを憎んでいた時間の次に、

今度は情報発信者を憎む時間が始まります。

それでは、自分の人生がまた別の誰かに占領されてしまいます。

検証する。

間違いだったものは間違いだったと認める。

自分自身にも思い込みがあったなら、それも認める。

本当に被害を受けていた部分は、それとは別に大切に扱う。

そして少しずつ、

自分の人生へ戻る。

僕は、そこが一番大切だと思っています。

僕が個別の判定をしない理由

このような話を書くと、

「僕の場合はどうですか」

「この人は本当に悪魔化していたのでしょうか」

「この動画を全部分析してください」

という話になる場合もあると思います。

しかし僕は、個別のケースについて、

「あなたは騙されていました」

「その人は意図的に嘘をついていました」

と判定することはしません。

一つ一つの事情も知りません。

全資料を確認しているわけでもありません。

本人たちの関係も分かりません。

そして僕自身も、個別事件を調査するために時間を使うことはできません。

同じ理由から、特定の人や発信者を大量解析するための専用AIシステムを提供したり、僕自身がそれを使って調査に参加したりすることも考えていません。

それは各自が、自分自身の責任で行う領域だと思っています。

ただし「どう検証すればよいか」という一般的な相談には答えられます

例えば、

「この大量の文章をAIでどう整理すればいいですか」

「動画を文字起こしした後、何を基準に分類すればいいですか」

「研究結果と個人の意見をAIに分けてもらうにはどうすればいいですか」

「時系列表を作るにはどういう指示を出せばいいですか」

「AIの判定を鵜呑みにしないために、何を確認すればいいですか」

といった、

AIを使った一般的な検証方法についての簡単な質問であれば、僕の分かる範囲でお答えすることはできます。

現在は、自分自身でAIへ相談しながら必要な仕組みを作ることも、以前よりずっとやりやすくなっています。

必ずしも特別なシステムがなければできないものではありません。

ただし、個人情報、非公開の会話、第三者の録音・録画などをAIへ入力する場合には、プライバシーや利用規約、法律上の問題にも十分注意してください。

必要以上の個人情報をAIへ渡さず、可能なら匿名化することも大切です。

AIに「この人は悪い人ですか」と聞かない

最後に、AIを使うなら、ここは非常に重要です。

「この人はナルシストですか」

「この人は嘘つきですか」

「この人はDARVOしていますか」

と最初から判定を求めるより、

「この文章に含まれる検証可能な事実主張を抽出してください」

「事実と推測を分けてください」

「引用元が必要な主張を一覧にしてください」

「時系列に並べてください」

「同じ出来事について説明が変化している箇所を候補として挙げてください」

「断定せず、確認が必要な点を示してください」

という使い方の方がいいと思います。

答えを植え付けてもらうためにAIを使うのではなく、

自分で答えを確認できる状態を作るためにAIを使う。

この違いは大きいです。

「分析される側」から、「自分で確認できる側」へ

僕がサヨナラ・モンスターで大切にしてきたことの一つは、

自分自身の心を、自分自身で見ていく力を育てることです。

今回の話も、それとつながっています。

誰かに、

「あなたの親はこういう人です」

「あなたのパートナーはこういう人です」

「ナルシストはこうです」

「あなたはこういう被害者です」

と決めてもらうのではなく、

自分自身で確認する。

自分が経験したこと。

実際に確認できる事実。

その時の感情。

後から知った情報。

誰かから教えられた解釈。

それらを一つずつ分けていく。

そして必要なら、AIもその補助に使う。

「概念丸ごとブーメラン」とは、誰かへ心理学の言葉を投げ返すことではありません。

他人を裁くために歪められていた概念を、

自分自身が現実を正確に確認するための道具へ戻すことです。

もし過去に誰かから与えられた物語によって苦しんできたのなら、

次に必要なのは、新しい誰かの物語を信じることではありません。

自分自身で確認できる力を取り戻していくこと。

僕は、その方がずっと大切だと思っています。

参考文献・外部リンク
  1. 1. NPD悪魔化の「概念丸ごとブーメラン」とは何か――「DARVO・責任転嫁・心理操作」と語ってきた側も、AI時代には過去発言そのものが検証対象になり得る https://note.com/s_monster/n/n2cdb21c2667e
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